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利 雁 神 社
A:美具久留御霊神社境内社
富田林市宮町3丁目
B:利雁神社
羽曳野市尺度(サカト)
祭神--保食神・品陀別命・天児屋根命
                                                       2019.07.12参詣

 延喜式神名帳に、『河内国古市郡 利雁神社』とある式内社だが、明治末の社寺統廃合政策により、富田林市宮町に鎮座する美具久留御魂神社に合祀され、その境内社(A社)とされ、
 その後、旧社地・羽曳野市尺度の現在地に復社している(B社)、時期不明。
 社名は“トカリ”と読む。

※由緒
 A・B両社ともに案内表示はなく由緒・創建年代ともに不明だが、古資料としては
*河内志(1734)
 ・古市郡 西坂田村の戸刈山に在り 今王の宮と称す

*大阪府全志(1922)
 ・利雁神社の址はは、西坂田の字尺度にあり、延喜式の旧社にして保食神・八幡大神・天児屋根命を祀る
 ・もと西南の利雁山(戸刈山)の上に鎮座し、王の宮と称し、本州有数の大社たりしが、元亀・天正の兵乱に遭いて社殿頽廃し、遂に神霊を安ずる能はざるに至る
 ・慶長17年(1612・江戸初期)此の地(字尺度)に遷座しまいらせしも、なほ王の宮と称す
 ・本地の産土神にして明治5年(1872)村社に列し来たりしが、神社合併の議あるに際し、明治40年(1907)10月喜志村の美具久留御魂神社に合併せられた

 これによれば、当社は 利雁山山上(王の宮)→字尺度→美具久留御魂社・境内社(A社)→尺度(現在地・B社)と変遷したとなる。

*大阪府史蹟名勝天然記念物(昭和2・1927)
 ・西浦村大字尺度神社は尺度村落の西北端に鎮座せる延喜式の旧社にして保食神・八幡大神・天児屋根命を祀る。・・・
 ・古は、今の大字蔵内なる戸苅池の南方1町余りの羽曳山脈の高峰利雁山(戸刈山)に鎮座し(王の宮と称す)、本郡内屈指の大社なりしが、元亀天正の群雄割拠の時代、社伝頽廃し久しくその儘に委ねられしが、慶長17年(1612)遂に現地に遷座したるものなり
 ・社は当地の産土神にして明治5年村社に列し来たりしが、明治40年(1907)12月喜志村の美具久留御魂神社に合併せらる
 ・廃跡は二百有余坪にして古松繁茂し荒涼たる雑草の萋々たる地となれり

*式内社調査報告(1979)
 ・神社明細帳に従えば、『天亀天正年間の兵乱に社殿破壊し、既に廃社せんとせしを慶長17壬子年8月 信徒等数人戸刈山〔王の宮とも云〕より此の地に移す。此地尺度在尺度と云、後坂田と改む』とあり、戸刈山(利雁山)から遷座したことがわかる 
 ・当地の産土神で、明治5年村社に列せられ、同年4月、村人田中四郎所有の愛宕という山地にあった愛宕神社(祭神・加具土神)を境内神社とした
 ・明治40年10月喜志村の美具久留御魂神社に、愛宕神社とともに合祀された
などがあり、これらは美具久留御魂神社にある境内社・利雁神社(A社)を指す。

 その後、旧社地である尺度の地に小祠を造営して複社したのがB社だが、その時期は不明。
 調査報告(昭和54年)に複社の件が記されていないことから、複社時期は昭和55年以降であろう。
 なお、当社名・利雁の基と思われる利雁山(戸刈山)の位置は不明。B社の背後(西側)には山地が迫っており、その中の何処かであろう。

 延喜式内社だが、美具久美御魂神社の境内社だったためか資料は皆無に近く、創建由緒・年代等詳細不明。


※祭神
  保食神(ウケモチ・食物神)・品陀別命(ホムタワケ・応神天皇)・天児屋根命(アメノコヤネ・中臣氏遠祖)

 保食神
  書紀5段一書11に、アマテラスの命をうけたツクヨミが訪れたとき、ウケモチが口から食べ物を出して饗応しようとしたので、口から出した食べ物を食べさせようとしたと怒ったツクヨミがウケモチを殺してしまった。
 ところが、その死体から稲・粟・豆などの穀物などが成りでたので、喜んだアマテラスはこれらをとって人々の食べ物としたとあり(大意・穀物起源神話のひとつ)、食物の神とされる。

 延喜式に祭神一座とあるから、本来の祭神は保食神一座で、品陀別・天児屋根は後世の合祀と思われるが、その所以・時期等は不明。
 なお、神社覈録(1870)には「祭神詳ならず」とある。


※社殿

 A社--美具久留御魂神社境内社

 近鉄長野線・喜志駅の南西約750m。国道170号線・宮前交差点を西へ入った突き当たりに鎮座する美具久留御魂神社本殿の右(北側)に並ぶ摂社3社の右端に鎮座する(右写真)

 なお、美具久留御魂神社・略記には、明治40年に合祀されたとあるだけで、その由緒等は記載されていない(別稿・美具久留御魂神社参照)


 B社--利雁神社 (羽曳野市尺度)
  近鉄長野線・喜志駅の北西約1km強。駅西から国道170号線を北上、尺度交差点を西へ約400mほど進んだ辻を北へ入り、最初の辻を西へ入った突き当たりの山裾に鎮座する。(突き当たりの左に西方寺がある)

 山裾の木々に囲まれた一画に鳥居が立ち、その奥、小さな社殿の中に3連の祠が鎮座する。
 鳥居に「利雁神社」との神額が挙げられているだけで、由緒・複社経緯等の案内はない。

 
利雁神社への入口
(奥の森の下に神社がある)

利雁神社・社頭 
 
同・鳥居
 
同・社殿
   
同・社殿内の祠

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