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トルコ/カッパドキアの景観

 カッパドキアは、トルコ・アナトリア地方の東部の略中央部に拡がる。
 緩やかに起伏しながら拡がる高原のそこかしこに奇岩群が林立するその景観は、その珍奇な姿態といい規模の大きさといい、一見に値する価値がある。

 今から6500万年から200万年前までという長い長い時間をかけて、繰りかえし起こった地殻変動によって、アナトリア高原の中央部を東西に走る山脈・高原地帯が形成され、そこに生まれた火山と、そこから噴出した溶岩と火山灰によって埋められ固まった地層が、悠久の時の流れの中、極端な寒暖の変化あるいは激しい風雨といった自然の営みによって、削られ流されてできたのが現在の奇岩群という。
 自然という名の芸術家が奔放且つ繊細に造りあげた造化の全貌は、数枚の写真で撮しとれるものではないが、略一日かけて回ったカッパドキアの片鱗を紹介する。

 
遠くに地層の重なりがみえる
 
  

※妖精たちの群像
   パシャパー・ウルギュップ・セルベの谷
 カッパドキアの奇岩群の感じ方には各人各様の見方があろうが、これらを妖精とみる見方があり、カッパドキアをカッパドキアたらしめているのが、これら妖精たちの姿ともいえる。

 妖精たちはカッパドキアの各処でみることができるが、
 ・パシャパーのそれは、一見して高い岩の上に建つ妖精の家といった印象で、
 ・ウルギユップでは、小粋な帽子をかぶり、長いマントをまとった妖精が、ある処では独りで瞑想にふけり、ある処では数人が寄り添って語らっているいるし、
 ・ゼルベの谷では、有帽・無帽の妖精たちがマントの裾を膨らませて踊っている
そんな幻想的且つ個性的な景観が各処でみることができる

 できることなら、澄みわたった月光の中で再見したいものである。

◎パシャパー 

     
     

◎ウルギユップ

     

◎ゼルベの谷

     
     

※ウチヒサル・・・岩の要塞
 自然が造った三角錐の峨々たる岩塊、そこに穿たれた無数の穴(かっての穴居住居跡)、その裾野に拡がる石造りの家々、それはブリューゲルが描く“バベルの塔”との印象をうける。

 ウチヒサルは自然の造形であり、バベルの塔は人工の建造物という違いはあるものの、帰国して改めて見比べたとき、いずれも天を目指して聳えるそのフォルムと、そこからうける全体の印象には相通じるものがあり、ブリューゲルは、この岩塊をみて構想を得たのではないかと思わせるものがある(ブリューゲルはローマのコロシュムをみてヒントを得たという)

 
全 景
 





 
バベルの塔
(ブリューゲル)
 
背面から

※チャヴシン村跡
 谷間の細道に沿った左手一帯約1kmにわたる岩山の山腹全体に、無数の穴居住居跡が残っている。
 今は、岩が脆くなって廃墟と化しているが、調査によれば、何軒かの家には素晴らしい壁画が描かれていたとのことで、かつては多くの人々が豊かな生活を送っていたと思われる。
 岩山の頂上に建つ“洗礼者ヨハネの教会”(AD5世記)には、ヨハネ断頭の場面・サロメの舞踏場面などの壁画が残り、また“大きな鳩小屋”と呼ばれる教会跡には、ローマ皇帝ニケフォロス・フォカス(AD964--965)とその家族を描いた壁画があるという。

 現地は、谷間を通る小道の奥に小さな出店風の茶屋が1軒あるだけの寂れた処で、観光客もあまり行かないところだという。

     

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